責任を果たすために裁量を持つリンクウェルのPdMが圧倒的経験値を得られる理由
今年1月で創業6年を迎えたLinc’well。
2018年の創業から、コロナ禍を経て現在に至るまで、「テクノロジーを通じて、医療を一歩前へ」というミッションの実現に向かって、事業の拡大、組織化が進んでいます。
この6年という歳月の中で、急成長を続けているLinc’wellにとって、PdMは事業成長を支える、攻守の要。そこで今回は、オンライン診療システムの立ち上げからプロダクト開発に関わってきた岩佐克から、各フェーズで求められてきたこと、PdMの在り方をお伝えしていきます。
顧客価値にこだわり続けるからこそ、
PdMの役割は広がり、打席に立つ回数も増え続ける
はじめまして。Linc’wellでプロダクト部に所属し、PdMを担当している岩佐です。
Linc’wellに入社したのは、創業初期、オンライン診療システムのリリースタイミングで、そこから現在に至るまで、PdMとして事業成長を支えて続けています。
ー「事業の拡大・組織が進むと、PdMの役割は分担され、打席に立つ回数も裁量も減るのではないか?」
そう思われる方も少なくありませんが、Linc’wellのPdMは、立ち上げ当初から変わらず顧客価値にこだわり、事業価値の高いサービスを提供する、第一線のポジションであり続けています。当社の提供するサービスは、医療を必要とする様々な人が利用するため、まだまだあり過ぎるくらい、開発・改善の余地があります。今日は企業の成長フェーズに合わせてPdMに求められたこと、打席に立つことの面白さを、実際のエピソードを交えながらお伝えできればと思います。
創業〜2020年 / PMF(プロダクトマーケットフィット)
本質を見極め、無駄を省き、スピード重視で
患者さんの課題解消のための価値を作る
ー不要・不急の外出禁止の中で急速に求められた医療の形
2020年、コロナの急拡大によってオンライン診療の規制緩和が実施されました。コロナ前にLinc’wellが支援していた医療機関は、クリニックフォア田町・クリニックフォア新橋・クリニックフォア飯田橋の3院のみ。不要・不急の外出を避ける状況下において、「持病や生活習慣上の悩みを持つ方々への医療を、いかにして安全に提供し続けていくか」その解決策にあたる、オンライン診療のシステム構築は急務でした。
この時期のプロダクトの最大の価値は、「病院に行かなくても薬がもらえる」こと。予約から医師の診察、薬の受け取りまでを「無駄なくスムーズに行える」ことを何よりも重要視しました。
ー困っている患者さんをいち早く助けるためのオンライン診療
このフェーズでは、医療において患者さんが「本当に必要としていること」が何か見極め、いかに素早く実装させるかを重視しました。見た目の美しさや完璧なUXやドキュメンテーションを大切にしていきたい気持ちはありつつも、限られた時間の中で医療を受けたくても受けられない人を救うことが何より大切であると考え、緊急度の高い患者課題を最短で解決するという決断をしました。
実際のプロダクト開発では、最低限の情報入力・決済画面などといった基本的な機能性と、素早く自宅に薬を届けるという本質的な価値を提供することに注力。
今思い返すと、この時期のLinc’wellのプロダクト開発メンバーはたった4人。オンライン診療システムの開発からローンチまでをなんと2週間でリリースしました。その後も半年ほど、私とエンジニア、デザイナー含めて5~6人という非常に限られたリソースで開発をしていました。そのような状況なので、デザインや機能などについては、「もっとやりたいのに...」と思う箇所が多々あり、歯痒さを感じていました。しかし、SNSで、「本当に翌日に薬が届いた、最高」などのコメントをときどき見ることができて、本質的な価値の再確認できたのです。
2020年後半〜2022 / グロースフェーズ(初期)
最短距離で解決を目指すため、
「業務の属人化」の道を選ぶ
PMF(プロダクトマーケットフィット)までは、本質的価値を最優先していたので、プロダクトはまだまだ課題が山積みです。この時期のオンライン診療システム提供サービスでは、認証・決済方法の追加や画面遷移の最適化、電子カルテシステムの内製化など、多くの機能改善や追加を行いました。また患者さんの体験だけでなく、医療従事者が抱える課題解決にも注力した時期でもありました。
ー「業務の属人化」でプロダクトの質を向上
このフェーズでは、あえて戦略的に「業務の属人化」を進めました。
事業が拡大する中では、業務の型化やドキュメンテーション、職務の分担などから始めるケースもありますが、この頃はプロダクト開発の範疇も、診察〜発送など多岐に渡る業務があり、『どこを組織化することで品質高く効率化できるのか』が見えていない状態でした。そのため、闇雲にドキュメンテーションをして知識を一般化するよりも、自分がプロダクトの第一人者になることで、効率的かつ、品質を担保することを考えていました。ポール・グレアムの『スケールしないことをしよう』をプロダクトのみならず、組織にも応用した格好です。
さらに、診察予約や決済といった患者さん側の面と、配送管理や電子カルテ管理など医療機関側のオペレーションを分断することで、意思決定が遅くなるというデメリットもありました。
PdMが全てを把握していることで、配送管理や電子カルテ管理など、繋がりのある複数のプロダクトをアップデートする際に、連携部分や業務のつながりなどを考慮した上で、スピーディな意思決定をすることができました。
このあたりを初期から全てドキュメント化し、組織化しようとしていたら、個別最適化された分断された機能群になるリスクもあったと思います。
「特定の分野に限らず、顧客価値提供をするうえで必要な知識は、自分が一番知っているという状態にする」と意識した上で業務を属人的に進めることで、スピーディーにプロダクトの質を上げる事が出来たと思います。
ー医療現場の課題を自分の言葉で徹底的に理解し、アプローチする
この時期は毎日のように支援しているクリニックに通い、医師をはじめとする医療従事者のみなさんが「何を課題と感じているのか」のヒアリングと、業務理解を深める事にも注力しました。
医療従事者が解消したい課題について、どこまで対応できるのか——
技術やデザインといった基本的な知識はもちろんのこと、課題を実際に体感して自分の言葉で理解を深めるという積み重ねが、プロダクトの質の向上に大きく寄与していると思います。
その結果、支援しているクリニックのみなさんから厚い信頼をいただいているのは非常に嬉しいことだと思っています。
2023〜 / グロースフェーズ(中期)
ユーザーインサイトの深掘りが
プロダクトの価値を高める
現在、オンライン診療システムを取り巻く環境は変わり、競合企業も増えてきました。
その中でLinc’wellは、より多くの患者さんに広く深く医療を提供する「プライマリ・ケア」を確立し、シームレスな医療体験を提供することを目指しています。
「予約、問診から薬の処方までのすべてをオンラインで」という基本的な機能だけではなく、未病・予防医療の観点を含めて、ヘルスケアプラットフォーマーとして常に患者視点を大切に、さまざまな事業・プロダクト開発に着手しています。
ー 患者さんの悩みに合わせて診療体験を変えていく
支援をしているクリニックは、オンライン診療として22の診療科を設置しています(2024年4月現在)。そのため、一つひとつの診療科によって、患者さんの悩みや提案する内容は異なります。
例えばPMS(月経前症候群)に悩む女性が低用量ピルを希望する場合、低用量ピルの診療科を選択するのですが、ここでは患者さん自身が「自分がどの薬を必要としているか」がある程度分かった上で受診をする患者さんも多くいらっしゃいます。そういった方には、病院に行かなくてもオンライン診療でお薬を処方してもらえる、というシームレスな医療体験を提供することが圧倒的な体験価値となります。
一方、オンラインでの診療が初めての場合や診療科によっては、「どんな診療がされるのか」「どんなお薬が処方されて」「どんな副作用」「どんな効果」があるのか、患者さんが不安を抱えている場合があります。これらの不安は、診療科横断で一律でコミュニケーションをしても改善できないことがほとんどです。
そのため、診療科ごとに、その人の抱える悩みごとに適切な情報やコミュニケーションをとって、「医療に対する不安」を取り除くことが、プロダクトを開発する我々のできることだと思っています。
ー 経営陣との距離の近さが、Linc’wellで働くPdMの強み
プロダクト開発において、検討・開発・リリースを進める中で新たに判明する事象や事実も多く、臨機応変な対応が求められます。
Linc’wellでは、機能のアップデートや今後の計画について、経営陣と、プロダクトに関わる全員で議論をする機会が常に設けられています。そこで懸念点を払拭し、全員の言葉で言語化することで、プロダクトに対する理解の解像度を上げるだけでなく、より顧客への提供価値を高める機能のブラッシュアップも行っています。非常に近い距離で密にコミュニケーションを取ることができ、一人ひとりがプロダクト全体の方向性を決めることができる環境というのは、Linc’wellの大きな強みだと思っています。
PdMの仕事は意思決定
KPIを背負うことが裁量につながる
PdMの仕事は意思決定をすること。私は裁量とは特定の領域に責任を持つことであり、責任を可能な限り定量化して、PdMのゴール設定や成果を測りたいと考えています。現在のLinc’wellには、過去のキャリアでPdM経験のないメンバーもいますが、KGIから分解したKPIをそれぞれ担ってもらっています。未経験であっても、裁量と責任を持ってPdMとして活躍しています。
「裁量がある」という言葉については、さまざまな使われ方がされており、中には「業務範疇が広いだけで、意思決定は上司が行う」ケースもあるかと思います。その点、Linc’wellのPdMは可能な限り、PdM一人ひとりの「意志」を尊重し、成果に対して責任を持っていただいているので、本当の意味で裁量があると思います。
ー 急速に事業が成長する、エキサイティングな日々だからこそのPdMとしてのやりがい
Linc’wellのプロダクトはまだまだ発展途中です。だからこそ、次々と生まれる課題や患者さんや医療従事者の声をもとに更なるアップデートをしていけますし、プロダクトの価値向上だけでなく、人々の健康を支えることでより良い未来に貢献できます。
Linc’wellの事業は拡大し、開発メンバーも立ち上げ当初の4人から40人と大幅に増えました。
現在、オンライン診療システム提供サービスに関しては4名(2024年4月現在)、その他の事業含めて7名のPdMがいます。
事業規模から考えると、この数倍は必要です。まさに組織の拡大フェーズに当たるため、これまでの経験を活かしてチームを作っていくチャンスがあります。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
共にエキサイティングな環境で、プロダクトに留まらず広い視点を持ってPdMという職を極めていきたい方。裁量も、打席も準備ができています。ともに未来の医療をつくりませんか?
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